
製造・販売・据付・保守までを事業として展開している企業は多い。だが、複数の工程間あるいは部門間で情報が共有できず、きめ細かな顧客対応が課題となっている場合が少なくない。そのままでは、保守案件や新規案件の獲得など、ビジネスチャンスにも影響が出る。
2・多段式の駐車装置のリーディングカンパニーである株式会社ニッパツパーキングシステムズ様も、業務単位毎にシステムが複数稼働し、関連する情報を探し出すために、紙台帳に頼ることもあり手間がかかっていた。そこで、全工程情報の「共有化」と「見える化」を実現するソリューションを検討し、採用されたのが日立東日本ソリューションズの「SynViz」シリーズであった。プロジェクト管理システムとドキュメント管理システムを組み合わせることで、全工程の情報とドキュメントを一元管理する物件管理システムを構築。当初の目的であった「共有化」と「見える化」はもちろん、ビジネスチャンスの獲得やサービス品質向上などの効果も得ることができた。

【写真左】管理部 管理課 課長 渋谷 久明氏
【写真右】管理部 管理課 課長代理 佐藤 宏之氏
株式会社ニッパツパーキングシステムズ様は、2000年7月、日本発条株式会社様が展開していた駐車装置の販売・工事・メンテナンス部門が分離独立して誕生した会社である。
駐車装置の歴史は古く、その第1号となる2段式駐車装置の納入は1977年1月。1992年には累積5万台を突破している。
--「そのころから含めると、現在で約25万台の駐車装置を納入しています。2・多段式の駐車装置に特化した老舗であり、業界のリーディングカンパニーということができるでしょう」と、管理部 管理課 課長 渋谷 久明氏は説明する。
--「2010年には創業10周年を迎え、この2010年度の納入台数は国内シェアトップでした」(渋谷氏)。
一方、毎年数千単位の駐車装置を販売するにつれ、次第にそれら物件管理が課題となってきた。
--「日本発条の時代から業務のシステム化を進めて来ました。ただ、業務間のデータが完全に連携されていないため、物件単位での管理などに対策が必要でした」と、管理部 管理課 課長代理 佐藤 宏之 氏は課題を語る。


佐藤氏
各システムで顧客名や納品した機種などの基本情報は共通管理しているが、詳細な情報はシステム内に独立して存在していた。例えば営業担当が受注システムに物件を登録するが、工事の情報は工事担当者がそれぞれ管理している。
--「営業が受注システムにない情報を知りたい場合は、他のシステムを使ったり、出力された台帳などを確認することもありました」(佐藤氏)。
さらにメンテナンスは安易なシステム化が難しい部分であり、また請求書の起票など手作業に頼る業務も残っていた。担当者に確認しないと不明な物件もあり、ドキュメントの一元管理の必要性が強く求められた。
そこで、同社ではこれら問題点を解決するシステムを探し始めた。ここで業務改善も含め、提案したのが日立グループであった。日立グループは2007年11月から半年かけて問題点の調査を開始し、翌年4月に提案。これをベースにニッパツパーキングシステムズ様の社内にプロジェクトチームが発足された。

渋谷氏
提案を受けて、ニッパツパーキングシステムズ様では3期に分けて業務改善に着手することにした。第1期はインフラとなるシステムを作り上げる。第2期は既存システムを取り込む。そして3期では盛り込むことができなかった機能を加えるとともに、蓄積されたデータの分析機能を追加するというステップである。
期を分けずインフラ構築からデータ連携、さらにはデータ活用インターフェースまで、全システムを一気に作り上げることも考えられた。
--「しかし、システム規模もコストも大きすぎました。現場へのスムーズな導入も考え、3期に分けることにしました」と、渋谷氏は語る。
--「できるだけ早く成果を手にしたかったということもあります。効果を実感しつつ、次のステップへ進みたかったのです。このため、第1期は1年間での構築を目指しました」と佐藤氏。
ここでニッパツパーキングシステムズ様が採用したのが日立東日本ソリューションズの「SynViz」シリーズの『プロジェクト管理』と『ドキュメント管理』の組み合わせであった。
--「SynVizであれば、物件の発生からメンテナンスまで、全工程を一元管理するシステムを構築できます。関連するドキュメントも登録して、情報を共有できます。Webベースですから関係者が全員で確認することができます」と、渋谷氏は採用の理由を語る。さらに、
--いくつか他のパッケージも検討しましたが、これほど全工程を網羅できるものはありませんでした。この組み合わせが『共有化』『見える化』には最適と判断しました」と断言する。
当時のプロジェクト責任者である横山敏雄氏(現・代表取締役社長)がシステムを「COPS」と命名し、システム構築に入り、2009年5月から第1期のシステムが稼働を開始した。
--「ほとんどトラブルなしにスムーズにサービスインすることができました」と、渋谷氏は振り返る。
これ以降、本来なら第2期の構築に着手する予定だったが、世界的な経済環境悪化の影響もあって、グループ全体で設備投資を抑制することとなった。だが、ここで開発が止まってしまったわけではない。
--「稼働後の状況を確認しながら、インターフェースなどの細かな使い勝手を改善することになりました。いわば1.5期のようなものです。これに合わせて、Windows XP対応のシステムでしたが、クライアントOSをWindows 7対応にバージョンアップしました」(佐藤氏)。
これを経て、第2期システムは2011年5月から着手し、11月完成を目指して構築が進められている。既存システムの取り込みが中心で、完成すると「COPS」のみで、ほぼ全工程の処理と管理が可能となる。

--「第1期のシステムは期待どおりの効果をあげています。『見える化』によって大幅に管理効率が向上しました」と、渋谷氏はほほ笑む。
管理部門だけではない。現場の営業担当者も、同僚の営業活動を容易に確認できるようになり、部門全体の刺激となっている。関連ドキュメントを登録できるため、担当者が外出して不在の際も、お客様からの問い合わせに的確に応えることもできるようになった。
アラート機能も活躍している。例えば品質保証部門では完成された物件をチェックして、不備があると、期限付きでその内容をシステムに登録。是正工事の完了を登録せずに期限を迎えると、工事担当者にアラートが飛ぶ仕組みである。もちろん、その是正が完了していないと、お客様に引き渡すことはできない。
お客様に提出した見積書にも経過報告がないとアラートが点灯する。
--「お客様から求められて見積もりを出したのはいいのですが、そのまま放置されビジネスチャンスを失うようなことがあってはなりません。営業も多くのお客様や案件を抱えていますので、提出した見積もりのフォローを支援できるようにしました」(佐藤氏)。

第2期で既存システムを取り込んだ後は、システム化されていない機能、例えば見積もり作成などが自動化される。さらに、第3期で目玉となっているのが蓄積されたデータの分析機能である。
--「例えばコールセンターに寄せられた相談やクレームの傾向を分析することで、品質と顧客満足の向上を実現できます」
と渋谷氏が語るように、「COPS」は効率化や管理性の向上のみではなく、蓄積データの戦略的な活用も視野に入っている。
日立東日本ソリューションズは、「SynViz」シリーズを核に、業務の実態に合わせたシステム構築に現在も全力を注いでいる。
--「製品はもちろんのこと、私たちの現場のことにも精通しています。こちらからのわがままが多くなりがちですが、丁寧に対応していただき大変助かっています」と、佐藤氏は評価する。
「COPS」は、第2期、第3期と両社のパートナーシップにより、より早くより高いレベルでの完成を目指して作業が進んでいる。

| 社名 | 株式会社ニッパツパーキングシステムズ |
|---|---|
| 設立 | 2000年07月 |
| 本社 | 220-0004 横浜市西区北幸2-8-19(横浜西口Kビル6F) |
| 代表 | 代表取締役社長 横山 敏雄 |
| 従業員数 | 98名 |

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